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  • 執筆者の写真ptyorch

インタビューシリーズ④


今週は、PLANET-TERRA Youth Orchestraインタビューシリーズを公開します。

このシリーズでは、当団のメンバーや、各コンサートのゲストに直接インタビューを行います。

今回のゲストは、8月21日(月)に開催される「モダン・アートと融合する若き作曲家たち」に出演する作編曲家・宮下亮明氏です。作曲家を志したきっかけや、作曲へのこだわりをインタビューしていきます。

作編曲家/宮下亮明

福岡県出身。4歳よりヴァイオリンを、14歳より作曲を始める。

第66回全日本学生音楽コンクール北九州大会ヴァイオリン部門高校の部第3位。第26回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール作曲室内楽部門高校の部第2位(最高位)。

現在、桐朋学園大学音楽学部3年次在学中。これまでの作品は、調布音楽祭、桐朋学園大学主催の吹奏楽演奏会等で演奏される。

現在、ヴァイオリンを原田幸一郎、神谷美千子の各氏に、作曲を金子仁美、三瀬和朗の各氏に、ピアノを三輪郁氏に師事。

────本日は宜しくお願い致します。

宮下 ── 宜しくお願い致します。

────それではまず、自己紹介をお願いします。

宮下 ── 桐朋学園大学作曲科3年の宮下亮明(みやした りょうめい)といいます。初めての方には名前をあまり読んで頂けません(笑)

────いやぁ…作曲家のみなさんへのインタビューもこれで3回目ですが…見事に皆様お名前が難しく…(笑)

────この記事をご覧のみなさま…どうぞ覚えて下さいね!

宮下 ── あと、AB型で左利きです。

────それはまた珍しいですね!

────それでは、作曲家を志したきっかけはなんですか?

宮下 ── 4歳の頃からヴァイオリンを習っていたんですが、あまり練習が好きな方ではなく。普通に子どもらしい子どもだったと思うんですね。

宮下 ── なので小学校・中学校までは音楽の道というものをあまり意識していなかったのですが、ある日、ある先生のヴァイオリンのレッスンを受けまして。

宮下 ── 実は、その先生から「君は作曲をやってみると良い」という助言を頂いたんです。

────そうなんですか!なかなかそういう助言をされる先生はいらっしゃいませんよね?

宮下 ── ええ。なんといいますか、本当に占い師のような先生で…例えば「ヴィオラをやりなさい」と言われた生徒が素晴らしいプロ奏者になっていたりだとか。

────では、特に先生の前で作曲作品を披露したというわけではないのに、という事ですね?

宮下 ── そうなんです。

宮下 ── その先生の言葉を頂いてから思い出したのですが、そういえば小さい頃、いわゆる「子ども用」ではない本格的な五線紙を初めて見たときに「この紙に自由に音楽を書けるのか!」と憧れていました。

宮下 ── そのような事が潜在意識の中にあって、先生はそれを見つけてくれたのかもしれません。

────素晴らしいお話です!

宮下 ── その後、高校はヴァイオリン科として音楽科に入りまして、大学は桐朋学園大学にヴァイオリン科・作曲科両方として入学しています。

────それでは次の質問ですが、尊敬している作曲家の方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

宮下 ── 小さな頃から色々な方の作品を聴いていましたので、それぞれに影響を受けたり尊敬していたりするのですが、僕はその作曲家に関しては、出会った曲目も聴いた時期もしっかりと記憶しているくらい、ある意味特別に尊敬しています。

宮下 ── えー、彼はドイツの近現代の作曲家の方なのですが、パウル・ヒンデミットという方です。

────なるほど!最初に聴いたP.ヒンデミットの楽曲は何ですか?

宮下 ── ピアノソナタの第2番になります。彼の作風は、初期から晩年にかけて大きく変化していますが、変わっている中でも一生を通して貫徹されているものがあると思います。

宮下 ── いわゆる新即物主義という考え方自体が好きで、僕が法律や政治というものに興味を持ったときに、P.ヒンデミットの作曲姿勢に非常に感銘を受けました。

────ご自身の作曲作品のベースになっている考え方なのでしょうか?

宮下 ── そうですね。P.ヒンデミットが新即物主義のような確固とした何かを持っていたように、発言力・メッセージ性のある作品を作る、というのが自分自身の前提になっています。

宮下 ── 昨年、吹奏楽のための作品で『日本製』という作品を制作しまして。この作品の話をすると若干長くなってしまうのですが…

────ぜひお願いします!

宮下 ── はい。まずこちらは「十二音技法」を使って作曲されています。この技法を使用すると、本来「調性」が存在しないはずなのですが、あえてそこに調性を入れ込むことによって、あることを表現しようと試みました。

宮下 ── それは「十二音技法」という12個の音が等しくヒエラルキーが無いはずの音楽にも関わらず、「調性」というヒエラルキーが存在してしまう。そんな矛盾が表現されています。

宮下 ── これは、日本の現代社会に通じるものがあるのではないかというメッセージを込めて作曲しました。

────なるほど。一見平等でも、そこに格差が生じてしまう。ということですね?

宮下 ── はい。まぁ、というように、色々な作曲技法を学び、自分なりに咀嚼して、発言力のある作品を作っていく。という事が目標でしょうか。

────本日はありがとうございました!

宮下 ── ありがとうございました!

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<PLANET-TERRA Youth Orchestra Ensemble Series ~モダン・アートと融合する若き作曲家たち~>

【日時】2017年8月21日(月) 19:00開演(18:30開場)

【会場】めぐろパーシモンホール 小ホール

【入場料】全席自由 2,000円

【演奏】PLANET-TERRA Youth Orchestra Ensemble

【作曲家】

永井秀和 (東京藝術大学作曲科 卒業)

伊藤栄乃 (桐朋学園大学作曲科3年次 在学中)

宮下亮明 (桐朋学園大学作曲科3年次 在学中)

【画家】

キリオカマキ

♪こちらから、チケット申し込みフォームにアクセスすることが出来ます。

https://ssl.form-mailer.jp/fms/98f16abb509605

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【次回の更新は6月12日(月)を予定しています】


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